不動産投資というとお金持ちが余剰金で資産運用をするといったイメージがあるようで、私も実際自分が取り組むまではそう思っていました。
しかし実際は、手元資金が少なくても融資を受けて不動産を購入することができたり、今はREITという少額から始められる不動産投資もあります。
今回は、2種類の不動産投資方法(現物・REIT)のしくみと特徴について解説していきます。
この記事はこんな疑問を解消します
・不動産投資の種類はどういうものがあるの?
・現物投資とは?
・REITとは?
・現物投資とREITってどっちが良いの?
1 2種類の不動産投資
不動産投資は、大きく分けて2種類あります。
① 現物投資
② REIT(リート)
①現物投資
実際に不動産を購入して、家賃収入を得る方法です。不動産自体が値上がりし、購入価格よりも高い金額で売却できれば、売却益を得ることもできます。
現物投資の特徴
- 下図のような不動産を実際に購入して管理しながら家賃収入を得ることができる。(インカムゲイン)
- 値上がりしたら売却益も得ることができる。(キャピタルゲイン)
②REIT(リート)
REITとは、証券会社などが投資家の資金を集めて、その資金を専門家が多数の不動産(パッケージ)に投資するという金融商品です。
資金を多くの人から集めて色々な株式に投資する投資信託の一種です。
実際に不動産本体を購入して保有するわけではなく、REITという不動産投資信託を購入することで、その投資信託の配当によって間接的に家賃収入を得る方法です。REITも金融商品なので値上がりし、購入価格よりも高い金額で売却できれば、売却益を得ることもできます。
REITの特徴
- パッケージに投資するので、投資信託として分配金を得られる。
- 投資信託なのでREIT自体が値上がれば、売却益を得られる。
- 実物の不動産を保有しないので、実際に管理の問題などはない。
- 様々なパッケージがあるので、マンションだけでなく、商業施設やオフィスビルなどに投資することもできる。
- 投資信託のうまみである分散投資ができる。
ざっと2種類の方法について特徴をお話しました。
2 REITの種類
REITとは
不動産投資信託の一種で、パッケージされた金融商品
のことです。
海外REITと日本REITがあるのですが、今回は日本REIT(J-REIT)を前提にお話を進めていきたいと思います。
REITとは、特定の商品を指すのではなく、いくつかの不動産を詰め合わせたパッケージを1つの商品としていて、現在J=REITで扱っている上場している銘柄は62種類あります。(2020.4月現在)
REITは、何度も言うようにパッケージ商品なので、いくつかの不動産を詰め合わせてひとつのパックにして売っているイメージです。
そのパックの種類にも2種類あり
・単一型
・複合型
があります。
そしてパックの中身は大きく分けて6種類あります。
6種類がこちら
- ホテル特化型
- 物流不動産特化型
- 商業施設特化型
- オフィス特化型
- 住居特化型
- ヘルスケア特化型
これをアセットタイプと言います。
このようにREITの投資先としては大きく分けてアセットタイプが6種類あるのですが、
Aさん:私はオフィス系一本に投資したい!➡単一型
Bさん:私は物流系と住宅系とヘルスケアに投資したい➡複合型
というようになります。
3 REITのメリット・デメリット
何事にもメリット・デメリットがあるように、REITにもメリット・デメリットがあります。
メリット
- 少額から不動産投資ができる。
- 配当を得ることができる。
- 公開された取引所に上場されているので、いつでも売買できる。
- 投資信託なので分散投資でき、さらにアセットタイプを組み合わせることでリスク分散も可能になる。
デメリット
- 投資信託なので手数料がかかる。
- レバレッジ効果が得られない。
- 節税には使えない。
4 不動産投資はやっぱり現物!
実際に物件を所有する現物投資とREITを比較してみましょう。
不動産を保有 | REIT | |
購入方法 | 自己資金
融資でローンを組む |
自己資金のみ |
金額の規模 | 大きい | 少額から始められる
(積立投資も可) |
インカムゲイン | あり(家賃収入) | あり(配当金) |
キャピタルゲイン | あり | あり |
レバレッジ効果 | 〇 | × |
節税効果 | 〇 | × |
所有権 | あり | なし |
流動性 | なし | あり |
現物投資とREITはどちらがおすすめなのかと言われると、私はやっぱり現物投資をおすすめします。
REITも不動産投資の一種ではありますが、投資信託なので、株式投資の仲間です。
株式投資では、市場の需要と供給や、経済によって左右される部分も多く、自分でコントロールできる部分が現物投資よりも少なくなってきます。少額から始められますが、不確定要素が多い中で運用するより、最初は大変でも知識をつけて物件をもつことで、あとは魅力的な住宅を賃貸し、工夫して空室を埋めていくことで、安定した家賃収入を得ることができるから魅力的です。大家さんという響きも素敵ですしね。融資でレバレッジをきかせることができたり、賃貸という立派な事業を行うことで節税にもつながりますのでメリットも多いです。ぜひ一緒に大家さんを目指していきましょう。