




不動産投資やマイホーム購入の際に、物件を色々と見ていると時々
【私道負担あり】
という文字を目にすると思います。
ほとんどの人はあまり気にしていないと思います。
しかし、
【私道負担】があることで、
実際にトラブルに巻き込まれている事例もあります。
購入する前に私道負担について、なんとなくでも理解できれば
事前に対応できることがあります。
✓ 本記事の内容
・私道負担とは? ・私道負担ありの土地を所有するメリット ・私道負担ありの土地を所有するデメリット ・私道負担ありの不動産を購入するときのポイント
2020年に物販で副業開始。1年目で売上1900万円を達成。
2021年は物販の売り上げを元に不動産投資用の戸建てを購入。
物販業・不動産投資を継続しながら、お金・簿記・建築の知識を活かし、SNS運用にも挑戦中。
本記事は、5分程度で読むことができます。
私道負担という意味を理解し、事前にリスクを考えておくことができれば、購入後のトラブルを極力避けることができるので、一緒に勉強して実践に活かしていきましょう。
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【重要な物件情報】接道義務と建築基準法の道路|不動産知識の基礎
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地区計画のまとめ|不動産売買時や新築時に必ず確認しよう!
目次
1 私道負担とは?
1-1 私道負担ってなに?

そもそも私道ってなんなの?
という人はこちらの記事をご覧ください。
私道とは、一言で言うと
個人や団体等が所有している道路
のことを言います。
私道部分には、建物を建てることができません。
1-2 私道を負担する3つのケース

ひとつずつ見ていきましょう。
ケース① 私道のセットバック部分が自分名義
主に
- 土地に建物を建てる時
- 中古住宅を建て替える時
は、建築基準法の道路に接道しなければなりません。
接道するためのセットバック(道路後退)をすると、元々、自分の敷地だった部分が道路になり、いくら土地の名義は自分でも、建築基準法上の道路(私道)となるので、建築できません。
このように
- セットバックで既に私道となってしまった土地
- 今後建替え時にセットバックで私道になってしまう予定の土地
は、自分名義の私道のセットバック部分があるので、「私道負担あり」という表示になります。
ケース② 私道の持分が共有名義
こちらは接道している道路が1筆の私道である場合です。
公図上は、1筆となっている私道ですが、名義を確認すると共有名義となっていて、その私道で接道をとっている方々で、名義を共有しているケースです。
例えば、地番103番の私道に自分も含めた6人で接道しているとします。
103番の所有者を確認すると接道している6人の名義になっています。
土地を売り出す時は、接道している道路の所有権も同時に販売します。

103番4の敷地を購入したい場合には、私道部分の103番についても共有名義人の1名となることになります。
その土地を購入した場合は、共有名義の私道も所有することになるので、「私道負担あり」という表示になります。
ケース③ 私道を分筆して複数名で所有している
こちらは接道している道路が分筆された私道である場合です。
公図を見ても、私道部分が分筆されていて、名義を確認すると、その私道で接道をとっている方々で、1筆ずつ所有しているケースです。
例えば、前面の私道を6人で接道しているとします。
公図で確認すると、私道部分は、地番103番7~12となっています。
103番7~12まではそれぞれが互い違いになるような所有の仕方をしています。
こちらもケース2と同様に、土地を売り出す時は、接道している道路の所有権も同時に販売します。
103番4の敷地を購入したい場合には、私道部分の103番8もついてくると考えましょう。
その土地を購入した場合は、前の人が所有していた名義の私道部分も所有することになるので、「私道負担あり」という表示になります。
1-3 私道負担という言葉はどこで出てくるの?

さらに細かく言うと
- 土地や中古住宅が売りに出される時の広告に記載
- 不動産売買契約の重要事項説明書に記載及び説明
このような場面で出てくる言葉です。
分かりづらいですが
- 私道セットバック
- 私道持分
などと書かれている場合もあるので、これらのキーワードがある場合には、なにかしらの形で私道負担があるということを頭に入れておいてください。
1-4 私道負担があるか調べる方法は?
私道負担があるかどうかは、不動産を購入する時は、広告や重要事項説明書に記載されています。
私は、心配性なので、不動産の広告に【私道負担あり】と書かれていても、自分で調べないと気が済まないので、調べています。
調べ方は3つあります。
1つずつ説明していきます。
①役所で調べる
前面道路が私道であるかどうかは、役所で調べることができます。
役所の窓口に行けば教えてもらえますが、インターネットの地図情報システムがある自治体はインターネットでも調べることができるので便利です。
ただし、所有者が誰かまではわからないので、あくまでも私道かどうかをチェックするだけの簡易的な方法です。
➁登記書類を調べる
前面道路が私道であるかは登記書類などで確認できます。
公図という地番が表示されている地図を法務局で入手します。
公図で私道かどうかを判断するときのポイントは
公図上で道路だと思われる場所に地番がついているかどうか?
を見ましょう。
公道は地番がついていない
私道は地番がついている
これで公道か私道かを判断できます。
そしてその地番の登記簿謄本を法務局で入手すると
その私道の所有者がわかります。
➂固定資産税評の納税通知書を確認する
納税通知書には、所有する土地の地番がすべて載っており、
私道を所有していると基本的に固定資産税の課税対象として記載されます。
しかし、一定の条件を満たしていて、申請許可が下りていれば、私道は非課税となることがあります。
その非課税になる条件とは、私道が、『公衆用道路』と認められる場合です。
公衆用道路は、簡単に言うと、誰がどう見てもみんなが通るために利用されている道路だよということです。
登記簿謄本の地目にも『公衆用道路』と載っていれば確実に非課税になります。
このように、私道であれば、納税通知書には私道の地番が記載され、さらに公衆用道路として認められる場合には「非課税」と記載されます。
私道でも、公衆用道路として申請していない場合には「宅地」として課税されますのでご注意ください。
2 私道負担ありの土地を所有するメリット

1つずつ説明していきます。
メリット① 土地の価格が少し割安になる
土地の値段は、敷地の形状や接道状況などによって異なります。
私道負担がある土地は、公道などに接道している私道負担なしの場合に比べて、問題があることがあります。
問題点が多いと同じ立地や広さでも土地の価格は少しだけ割安になりことがあり、土地の購入を考えている人にとっては、少しお得感があります。
ただし問題が盛りだくさんだといくら割安でも大変な思いをすることがあるので、そのあたりはどれぐらいの問題点があるのか事前に把握しておきたいですね。
メリット② 他の所有者の合意があれば私道を利用しやすい
私道は、国や地方公共団体は管理している公道とは違い、その私道の所有者たちで所有・管理しています。
なので、私道所有者全員分の合意があれば、私道は利用しやすくできます。
例えば
- 私道の交差点の見通しが悪いのでカーブミラーをつける
- 私道のゴミがちらばらないように、ゴミボックスを私道に設置する
- 私道に居住者以外車の立入禁止などの看板をつける
私道所有者全員の同意でこのような対応することが可能となります。
私道所有者全員で私道を使い勝手の良い道路にできるのはメリットですよね。
しかし、他の所有者と付き合いがうまくいっていないと意見の出し合いなども円滑に進まない可能性があるので、慎重に進めていく必要がありますね。
3 私道負担ありの土地を所有するデメリット

デメリット、結構ある。。。
先程、私道負担がある土地のメリットをお話ししましたが、その裏返しにデメリットがあります。
一般的には、私道は何かしら問題があると考えて、土地を購入するときは、その問題点が克服できるものなのかを考えながら検討すると良いですね。
1つずつ説明していきます。
デメリット① 建築に使える土地が少なくなる
建築時に前面道路の私道でセットバック(道路後退)が生じる場合です。
一見、自分の敷地内に見えていても、私道となる部分については、建物を建てたり、固定するような外構物を設置することはできないので、建築の際の敷地面積には含めることができません。
せっかく自分の所有している土地なのに、道路となって自分の自由に使うことはできなくうなってしまうので、実質、使える土地が少なくなるのと同じようなことですよね。
デメリット② 私道部分の整備は自己負担
私道部分の整備が必要になった場合は、私道の所有者で費用を負担する必要があるのです。
(例)アスファルト舗装が破損している場合
- 公道→自治体に連絡して自治体の工事部門が道路補修してくれる。
- 私道→私道所有者で相談し、費用を分担し、自分たちで見積もりを依頼し工事を発注する。
私道の場合は、金銭も手間も負担があります。
そして
- 所有者が遠方に居住していて連絡がとれない
- 私道の所有者が話し合いできないぐらいに多数いる
などの問題があると、緊急性を要する工事でもなかなか着手できない可能性もあり、とても厄介です。
金銭的にも負担が大きいですが、自治体によっては、私道整備助成金などが出るところもあるので、事前に調べておくと該当する可能性もあるので、チェックしましょう。
デメリット③ 私道は課税される可能性もある
私道は、基本的には課税対象となり固定資産税がかかります。
土地を購入するときには、建築の敷地には使えない私道部分の固定資産税がいくらであるか事前に確認しておく必要があります。
ただし、この私道が公共用道路と認められれば、固定資産税は非課税になります。
公衆用道路として扱ってもらえる条件は自治体によって多少異なります。
元々公衆用道路として扱われていてそのまま購入する場合は問題ありませんが、
- 私道部分の登記簿の種別が【宅地】となっている
- 前所有者の固定資産税納税通知書で私道部分が課税されている
このような場合には、自分で自治体に申請してい許可を得ることで非課税となるので、自治体に確認しましょう。
デメリット④ 他の所有者とトラブルになると私道が使えないことも
他の所有者とトラブルになると共有持分の私道が使えないことも起こりえます。
(例)私道の所有者で、私道にまつわるトラブルが起こる。
- 私道部分への路上駐車
- 私道部分で子供が遊んで騒音が発生する
- 私道部分に勝手に私物を置いて占用していて迷惑になっている
このようなことでトラブルになると、深刻な問題に発展することがあります。
私は仕事上、そのようなトラブルの相談を受けることがあるのですが、その中の1つで、根深いトラブルになった事例をお話します。
参考
Aさんは数人で共有している私道部分でよく子供とキャッチボールをしていて、隣のBさんはその騒音に長年不満を抱いていました。Aさんが建物を建て替える時に、その私道を掘削したり工事車両が入ることになるので、Aさんは、私道の所有者数人に私道を使用する許可をもらいに頼みにいきましたが、Bさんは、Aさんを快く思っていないため、最後までその許可を得ることができずに、長年建て替えができずにいる。
それが、実際に受けた相談内容です。
もちろん、必ずしもトラブルが起きるわけではないですが、こういった事例もあったということを頭に入れておくと私道のリスクについても把握することができます。
4 私道負担ありの不動産を購入するときに気をつけること
私道負担ありの不動産を購入しようと検討している方は、下記のポイントに気をつけましょう。
チェックポイント | 確認事項 | 確認する理由 |
私道負担の種類はどれか? | ・セットバックによるものか?
・私道は1筆で共有名義か? ・私道は分筆されていて複数の所有者がいるか? |
私道の負担の方法によっては、持分も異なり、自分が私道を使いたい場合にも、許可を求める人数などの難易度が変わる。 |
売買時に関係のない私道がまぎれていないか? | ・公図や登記簿で売買する地番を確認し、今回の売買と関係のない私道がまぎれていないか? | 売主が長年売却し忘れている今回の売買に関係のない私道を取得し、今後の処分に困ることになる。 |
私道のセットバックがある場合、どれぐらい敷地面積が減るか? | ・セットバック面積はどれぐらいか?
・セットバック後の面積では、建ぺい率等を考慮し、どれぐらいの建物が建つか? |
現状の前面道路が狭い場合、セットバックでかなり面積が少なくなる可能性がある。セットバック後の面積では、理想の建物が建たない可能性がある。 |
私道の固定資産税は非課税となっているか? | ・売主からの納税証明書で非課税となっているか?
・登記簿で地目が公衆用道路となっているか? |
私道部分は、建物が建てられないため、自治体に届出・許可で固定資産税を非課税としてくれる可能性あり。 |
他の所有者とはスムーズに連絡のとれる関係にあるか? | ・登記簿から所有者が何名でどこに居住しているか?
・他の所有者にあいさつした際の直感はどうか? |
一番難しいかもしれないが、他の所有者とスムーズに連絡がとれないと、自分の敷地で工事をする場合にも問題に発展しやすい。 |
きちんとチェックポイントをおさえておけば、私道負担があっても購入すべき物件かもしれませんからね。
5 まとめ
今回の記事では、不動産の広告などにも度々出てくる、「私道負担あり」について例を交えながらお話ししました。
私道負担があると、場合によってはトラブルがあることは事実です。
しかし、購入前にポイントをおさえておけば、購入してから建物が建てられない土地になってしまったなどのトラブルを極力避けることができます。
■私道負担ありのパターンは大きく分けて3種類ある。
私道負担(セットバック)の場合 | ![]() |
共有名義の場合 | ![]() |
分筆の場合 | ![]() |
■私道負担ありのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
購入を考えている人は土地の価格が少し割安になりお得 | 建築に使える土地が少なくなる |
他の所有者の合意があれば私道を利用しやすい | 私道部分の整備は自己負担 |
私道は課税される可能性もある | |
他の所有者とトラブルになると私道が使えないことも |
■購入前にチェックすべき私道負担ありの土地のポイント
チェックポイント | 確認事項 | 確認する理由 |
私道負担の種類はどれか? | ・セットバックによるものか?
・私道は1筆で共有名義か? ・私道は分筆されていて複数の所有者がいるか? |
私道の負担の方法によっては、持分も異なり、自分が私道を使いたい場合にも、許可を求める人数などの難易度が変わる。 |
売買時に関係のない私道がまぎれていないか? | ・公図や登記簿で売買する地番を確認し、今回の売買と関係のない私道がまぎれていないか? | 売主が長年売却し忘れている今回の売買に関係のない私道を取得し、今後の処分に困ることになる。 |
私道のセットバックがある場合、どれぐらい敷地面積が減るか? | ・セットバック面積はどれぐらいか?
・セットバック後の面積では、建ぺい率等を考慮し、どれぐらいの建物が建つか? |
現状の前面道路が狭い場合、セットバックでかなり面積が少なくなる可能性がある。セットバック後の面積では、理想の建物が建たない可能性がある。 |
私道の固定資産税は非課税となっているか? | ・売主からの納税証明書で非課税となっているか?
・登記簿で地目が公衆用道路となっているか? |
私道部分は、建物が建てられないため、自治体に届出・許可で固定資産税を非課税としてくれる可能性あり。 |
他の所有者とはスムーズに連絡のとれる関係にあるか? | ・登記簿から所有者が何名でどこに居住しているか?
・他の所有者にあいさつした際の直感はどうか? |
一番難しいかもしれないが、他の所有者とスムーズに連絡がとれないと、自分の敷地で工事をする場合にも問題に発展しやすい。 |
私道に面した土地を購入するにはリスクもありますが、比較的割安価格になることが多いですし、他の所有者と良好な関係を築くことができれば、私道の使い勝手はとても良いものになります。
私道だからといって、はじめから除外せずに、ポイントを抑えて、考えられるリスクを事前に洗い出してから検討することで、良い物件を購入できる可能性もありますので、ぜひ参考にしてください。
購入後にトラブルに巻き込まれそうになったら・・・・
迷わず専門家に相談しましょう。
私道に関するトラブルは珍しくはありませんし、私も良く仕事で相談を受けます。事前に調査してトラブルが起こらないに対策しても、起きる時は起きてしまいます。
トラブルが発生したら、早めに解決しましょう。
土地の問題は相続などが絡んでくると余計に複雑になりますし何よりも人間関係から発生するものです。
弁護士等の専門家に相談をしておくことをおすすめします。
今回は以上です。
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【重要な物件情報】接道義務と建築基準法の道路|不動産知識の基礎
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地区計画のまとめ|不動産売買時や新築時に必ず確認しよう!