▶建築物に対して、修繕や模様替を行う場合に、主要構造部をどれだけいじるかによって、確認申請が必要になる可能性があります。主要構造部とはどの部分を言うのでしょうか？
１ 主要構造部とは？
建築基準法第二条五号で主要構造部をこう定義しています。
メモ
五 主要構造部 壁、柱、床、はり、屋根又は階段をいい、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くものとする。
要するに、主要構造部は
チェックリスト
- 壁
- 柱
- 床
- 梁（はり）
- 屋根
- 階段
この６つの部分を言います。
※主要構造部の図を挿入する
これは、主として防火上の観点から定めた建築物の主要な部分のことを言います。
建築物の耐火性能や避難時の安全確保、近隣への延焼を防ぐ若しくは近隣からの類焼を防ぐといった意味合いを持っています。
２ 主要構造部から除外する部分
主要構造部に該当しない部分は以下の通りです。
主要構造部の名称が入っているものもあり、一見分かりづらいのですが、これらは、主要構造部から除外することが条文に明確に示されていますので、念のため確認しておきましょう。
チェックリスト
- 建築物の構造上重要でない間仕切壁
- 間柱
- 付け柱
- 揚げ床
- 最下階の床
- 回り舞台の床
- 小ばり
- ひさし
- 屋外階段
- その他これらに類する建築物の部分
３ 「主要構造部」と間違いやすい「構造耐力上主要な部分」
建築基準法施行令第一条三号で構造耐力上主要な部分をこう定義しています。
メモ
三 構造耐力上主要な部分 基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材（筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。）、床版、屋根版又は横架材（はり、けたその他これらに類するものをいう。）で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。
構造耐力上主要な部分とは、建築物の自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧、水圧、地震その他の震動・衝撃を支えるものを言います。
チェックリスト
- 礎
- 基礎ぐい
- 壁
- 柱
- 小屋組
- 土台
- 斜材（筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。）
- 床版
- 屋根版
- 横架材（はり、けたその他これらに類するものをいう。）
具体的に部位の名称を挙げてもわかるように
主要構造部 ≠ 構造耐力上主要な部分
となります。
名称が混同しやすいので別物であることを覚えておきましょう。
４ まとめ
| 主要構造部 | 構造耐力上主要な部分 | ||
| 該当 | 除外 | ||
| 部位 | ・壁
・柱 ・床 ・梁（はり） ・屋根 ・階段 |
・建築物の構造上重要でない間仕切壁
・間柱 ・付け柱 ・揚げ床 ・最下階の床 ・回り舞台の床 ・小ばり ・ひさし ・局部的な小階段 ・屋外階段 ・その他これらに類する建築物の部分
|
・礎
・基礎ぐい ・壁 ・柱 ・小屋組 ・土台 ・斜材（筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。） ・床版 ・屋根版 ・横架材（はり、けたその他これらに類するものをいう。） |
| 役割 | 建築物の耐火性能や避難時の安全確保、近隣への延焼を防ぐ若しくは近隣からの類焼を防ぐ。 | - | 建築物の自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧、水圧、地震その他の震動・衝撃を支える。 |
| 関係規定 | 防火関係 | -- | 構造関係 |